イタリアのトランプカードについて
イタリアのトランプは、40枚。
4つのマーク×1~10の数字からなっています。

4つのマークは
コッパ(杯)
スパーダ(剣)
デナーロ(金)
バストーネ(棒)
数字の1はイタリア語でアッソ(エース)とも言って、大きなイラスト1つで記されています。
1~7の数字はマークの個数で表されていますが
8、9、10はそれぞれ
8=歩兵、9=騎士、10=王様
のイラストになっています。
歩兵と王様のイラストは似ていて間違えやすいので、気をつけましょう。
「スコーパ」のルール
スコーパはイタリア語で「ほうき」という意味で、
台にあるカードを一掃して全部ゲットできたときに「スコーパ」になり、1点獲得です。
2~4人で遊べます。
プレイ人数に関係なく、ルールは同じです。
①手札を3枚配り、台に4枚置く
カードをきる人が、1人3枚ずつ手札を配り
台にカードを4枚、表向きで並べます。
(台に置くカードを「場札」と呼びます)
残りのカード束(山札)は別に置いておきます。

この状態でスタートです。
※注意
場札4枚出したときに、10(王様)が3枚出たら、遊べません。
その4枚だけを束に戻してカードをきり、やり直してください。
②取れる数字を取る
最初にカードを配られた人が、先手です。
自分の番のとき、
場札と手札を見比べて、
手札のうち1枚だけを使って、
場札と同じ数字を取ります。
例えばこの写真の場合、
場札には[剣の10](王様)があります。
手札に、なんらかのマークの10を持ってれば、
その手札を使って[剣の10]をゲットできます。
元から持ってた手札の10と場札の10
2枚のカードをゲットすることになります。
ゲットしたカードは、自分の近くにまとめて保管します。
そして次の人の番になります。
同じ数字のカードを取るとき、
足し算をして1枚以上、場札を取ることもできます。
例えば写真には
[剣の5]、[金の2]があります。
もし手札に7があれば、5+2=7なので
場札からは[剣の5]と[金の2]を取れます。
手札の7、場札の[剣の5]、[金の2]
3枚のカードをゲットしたことになります。
このように、
マークに関係なく、数字だけを見て、
手札1枚と、場札にある同じ数字を取るという、シンプルなゲームです。
場合によっては
どの手札を使っても何かが取れる、
又は複数の取り方ができる、
ということもあるので、
自分に都合の良い取り方を考えたり、
相手に「スコーパ」されない取り方などを考えます。
※注意
例の写真には
場札に[金の2]と[金の8](歩兵)もあります。
もし手札に10があれば、
2+8=10なので
場札から[金の2]と[金の8]、2枚を一緒に取れるでしょう。
でも場札にはすでに、[剣の10]も一緒に置いてあります。
この場合は、少ないほうのカードを取るというルールがあります。
2と8を合わせて2枚取るのではなく、
10を1枚だけ取らなければなりません。
③取れるカードが無い場合は、1枚置く
手札を見て、場札から取れそうな数字がどうしても無い場合は、
手札から1枚を選び、場札に加えます。
そして次の人の番になります。
つまり
手札が配られたあと、
自分の番になり、
取れる数字のカードがあれば取る。
もし何も無かったら、手札を1枚置く。
→次の人の番
というのを
2人なら交互に、3~4人なら時計回りに
手札が無くなるまで繰り返します。
自分の番が回ったら
手札を必ず1枚ずつ使うので、
1ターンで3回、自分の番が回ってくることになります。
④手札が終わったら、また3枚配る
みんなの手札3枚がきれて、1ターンが終了。
そしたら、山札からまた手札3枚を全員に配り、
全く同じゲームを繰り返します。
カードを配る人は同じ、配る順番も同じ、先手の人も変わりません。
ゲーム開始の時点では、場札として台にカードを4枚置きましたが、
次のターンからは必要ありません。
手札を配るだけです。
前回のターンが終わった状態の場札で、次のターンを続けます。
こうして、
山札が終わるまで同じことを繰り返すだけのシンプルなゲームです。
全カードは40枚で、
ゲーム開始で4枚を台に置くので、
40-4=36枚を3枚ずつ配り続けることになります。
もし2人プレイなら、
2人×3枚=6枚 を1ターンで使うので
36枚÷6枚=6ターン あります。
山札が終わるまで6ターン遊んだら、
1セットのゲームが終了し、点数を数えます。
もし3人プレイなら、
3人×3枚=9枚 を1ターンで使い
36枚÷9枚=4ターン で1セット終了。
もし4人プレイなら、
4人×3枚=12枚 で1ターン
36枚÷12枚=3
たったの3ターンで、1セット終了です。
このように、2~4人
いずれの人数で遊んでも、
最後までちょうどよく、1人手札3枚が配られるようになっているので、カードが余ることはありません。
⑤スコーパについて

例えば2人プレイのゲームの途中で、
こういう状況になってるとしましょう。
2人とも、取ったカードはまとめて下のほうに置いてあります。
上のほうにあるのが、山札です。
右の人の手札は2枚になってます。
左の人の番です。
手札2枚から1枚を選び、台に置き、
手札1枚になりました。
次は右の人の番です。
この時点で、
場札には[剣の5]と[剣の4]があります。
そして写真では見えませんが、
手札2枚のうち、[棒の9](騎士)があるとします。
場札の5+4で、合計9になるので、
手札の9ですべて取れます。
これが、スコーパです。
場札を全部きれいさっぱり取ってしまいました。

スコーパができたら、このように使った手札を1枚表にして置いておきます。
スコーパだけで1点になるので、ゲーム終了時に点数を数えるときのために、わかりやすくしておく必要があります。
次は左の人の番ですが、
スコーパされた後なので、もちろん場札は一枚もありません。
手札を1枚置くしかありません。
ゲーム中、運良くスコーパが何回もできることもあれば、一度もできないこともあります。
すべては、始めに並べられる場札、配られる手札、自分や相手のカードの選び方などで、運命が変わってきます。
⑥点数の数え方
山札が全部終わり、1セットのゲームが終了します。
それぞれのプレイヤーが、ゲットしたカードを見て、点数を数えます。
点数をより多く稼いだ人が勝つのですが、
点数はスコーパの他に、次の方法で最高4点を獲得できます。
①ゲットしたカード枚数が一番多い人が、1点獲得
例えば2人プレイで
Aさんは計22枚、Bさんは計18枚をゲットしたなら、Aさんが1点獲得。
もし20枚と20枚で同点になった場合は、どちらも点数を得ません。
自分の番になったら、できるだけ多くのカードを取るようにしましょう。
②金マークのカードを一番多くゲットした人が、1点獲得

これらの、金のマークをできるだけ多く取るようにしましょう。
例えば場札に、[金の2]と[杯の2]があり、
手札に[棒の2]があるとします。
手札の2で、場札のどちらかの2をゲットできますが、
その時に、[金の2]を優先して取りましょう。
点数を数える際、例えば2人プレイで
Aさんの金マークが6枚、Bさんの金マークが4枚だったら、Aさんが1点獲得です。
ここでも、もし5枚と5枚で同点なら、誰も点数を獲得しません。
③金の7(セッテベッロ)をゲットした人が、1点獲得
金マークのカード枚数とは別に、
[金の7]自体が、1点です。
イタリア語ではこの7を「セッテベッロ」と呼びます。

これをゲットするだけで1点になるので、目を光らせて、相手に取られないように頑張ってゲットしましょう。
④各マークを揃えるプリミエーラが一番強い人が、1点獲得

4つのマークで強いカードを揃えたものを「プリミエーラ」と言います。
7が一番強いので、
7を全マーク揃えると、最高峰のプリミエーラを築いたことになり、確実に1点を獲得します。
7が無い場合は、次に6が強いです。
6の次は、1(エース)が強いです。
1の次は、5、4、3、2の順に強いです。

(左から、強い順)
8(歩兵)、9(騎士)、10(王様)の3種類は同じレベルで、プリミエーラとしては一番弱いカードになります。
プリミエーラに必要なのは
杯、剣、金、棒の4マークをそれぞれ揃えることで、
その中でもできるだけ7、6、1などの強いカードをゲットするようにします。
例えばAさんは、
[杯の7]と[金の7]はゲットできたけど、その他の7はゲットできなかったとします。
その代わり、剣は6で代用でき、棒は1で代用できるとします。
そしたら「7、7、6、1」のプリミエーラができ、まあまあ強いです。
一方、Bさんは
[剣の7]と[棒の7]をゲットし、
金は7も6も1もAさんに取られ、一番強いカードが5しかない、
杯は7と6をAさんに取られたけど1は取れたとします。
Bさんのプリミエーラは「7、7、1、5」の4枚になり、Aさんと比べたら弱いです。
よって、Aさんが1点を獲得します。
ここでも、もし例えば
2人とも「7、7、6、6」のようなプリミエーラを作って同点になったら、誰もその1点を獲得できません。
場合によっては、細かい差で、
どちらが強いかわからなくなるときもあるので、
以下の表を参考にしてプリミエーラの強さを競ってください。
| 強い数字の順 | 強さ |
| 7 | 21 |
| 6 | 18 |
| 1(エース) | 16 |
| 5 | 15 |
| 4 | 14 |
| 3 | 13 |
| 2 | 12 |
| 8歩兵、9騎士、10王様 | 10 |
上の例だと
Aさんは、7を2枚と、6、1を持っているので
21×2+18+16=76
Bさんは、7を2枚、1、5を持っているので
21×2+16+15=73
になり、Aさんのほうが強いことがわかります。
以上の4点(カード枚数、金マーク枚数、セッテベッロ、プリミエーラ)を1セットのゲームで獲得できます。
それに加えて、スコーパ1つで1点になるので、スコーパの数も加算します。
例えば
Aさんはカード枚数、金マーク枚数、プリミエーラで勝ち、「3点」を獲得。スコーパは1つもできませんでした。
Bさんはセッテベッロをゲットしたので1点、スコーパも運良く1回できたので1点、合計「2点」を獲得できたとします。
1セット目では、3対2でAさんが勝ちました。
ここでスコーパのゲームを終了してもいいのですが、
伝統では、またセットを繰り返して、先に計「11点」に達したほうが勝ちとなります。
⑦次のセットを続ける
①~⑥でやった1セットゲームを、全く同じように繰り返します。
つまりカードをきり、手札を3枚配り、場札を4枚出します。
ただし次のセットでは、前回先手だった人がカードを配り、
別の人が先手になります。
1セット目ではAさんがカードをずっと配り、Bさんが毎回先手だったとしたら、
次のセットでは交代です。
Bさんがカードをきって配り、Aさんが先手になります。
山札が終わり、セットが終わって点数を数えるときまで、その役目は変わりません。
